本革(皮)特有のトラや血筋(ちすじ)といった表面の模様は、決して不良ではありません。むしろ本革だけが持つ「生きた証、個性」と言った方がしっくりきます。
本記事では、トラや血筋などの天然の革(皮)の模様について説明します。
天然の模様は生きた証
牛や羊といった動物の皮には、個体差や育った環境など様々な要因で二つとない表情が刻まれます。「皮」が「革」に加工されても、消えることのない固有の模様はまさに生きた証。
そんな味わい深い本革ならではの模様(表情)について、代表的な種類をご紹介します。
革(皮)の模様の種類
トラ
その名の通り虎の縞模様(しまもよう)に似た革の表情の事。
牛の首から肩にかけてのショルダーと呼ばれる部位で作られた革に見られます。この部位は皮がヒダ状にだぶついていて、皮をなめした後に平らにすると筋状に濃淡が現れます。これがトラの正体です。
欧米では本革の個性として親しまれており、野性味のある表情が人気です。
血筋(ちすじ)
イナズマもしくはブラッド ラインとも呼ばれる血管の跡がそのまま残った模様。
皮の表面に血管が近い部分だと残りやすい模様で、経年変化(エイジング)でよりハッキリと現れることもあります。
血筋もトラと同様に本革ならではの個性として人気があります。
シボ
革の表面に細かく不規則に入った皺(しわ)の事をシボと言います。
シボは皮の部位によって皺の細かさが違い、豊かな表情が魅力です。また、立体感のある表面は重厚で高級感のある雰囲気を醸し出します。
ピンホール
皮に残った毛穴や毛根跡の小さな点をピンホールと呼びます。
ほとんどの「皮」が「革」へと加工される過程でピンホールは消えてしまいますが、ほぼ素の状態で仕上げられた革にはピンホールを確認する事が出来ます。
あまりお目にかかれない希少な革の表情と言えます。
ブルーム
販売している革製品で、表面が白っぽくなっているものを見たことがありませんか?
一見カビと間違えられがちなこの白いものがブルームだったりします。
ブルームは、革に馴染ませたワックスが乾燥などによって表面に白く現れたものを指します。ブルーム革は使い込む程にワックスと革が馴染んでいき、深い光沢を放ちます。
非常に育てがいのある革に現れるのがブルームです。
革(皮)を知って個性を楽しむ
天然の模様がどうして現れるのか知ることで、本革製品を見る目も変わります。お気に入りの表情を見せる革製品に出会えば、愛着も湧いてきますよね。
もちろん本革なので適度なケアは必要ですが、革の個性と使う人の個性が時を経るごとに表情に刻まれていく様子(経年変化)を楽しみながら、本革製品との付合いを楽しみたいものです。
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